叙々苑はなぜ高いの?肉の産地やサービスの質に関係あるの?
高級焼肉店「叙々苑」は、芸能人御用達の焼肉店で多くの政治家も利用しており、値段が「高い」イメージが強いですよね。
実際、この「叙々苑」は、一般的な焼肉店よりもはるかに値段は高いのですが、なぜ高いのでしょうか。
そこには、明確な理由があります。
良質な肉、新鮮な素材を生かした料理はもちろんのこと、質の高いサービスを提供しているからです。
立地条件においても然りです。好立地に店舗を展開しているため、それが値段にも反映されています。
叙々苑を訪れる客は、値段が高いことは承知の上ですが、それでも何度も訪れるのは、値段に見合ったおいしい質の高い肉や料理、サービスを受けられるからにほかなりません。
そこで今回は、叙々苑がなぜ高いのは、肉の産地に関係があるのか、またサービスの質にも関係があるのかについてみていきたいと思います。
叙々苑はなぜ高い?肉の産地は関係あるの?
前章で述べたように、叙々苑が高いことには理由があります。
その理由のひとつに質の高い肉を提供しているからです。
どの店舗においても、同じおいしい料理を提供するために、仕入れから加工までを一斉管理しているセントラルキッチンシステムで運営されています。
このセントラルキッチンには、熟練した目利きの肉職人がおり、厳しい基準を満たしたよい肉だけが購入されます。
この時点で叙々苑のセントラルキッチンの基準に満たない肉はそのまま業者に持って帰ってもらうことになっているというのは驚きですね。
気になる肉の産地ですが、叙々苑の肉は産地が決まっていないのが事実です。その代わり、その日その時に一番よい状態の肉が叙々苑のセントラルキッチンに届けられることになっています。
値段が高いので「国産」にこだわっているのかと思いがちですが、アメリカ産でもオーストラリア産でも、その時に叙々苑の目利き職人がおいしいと思えば、こだわりはないようです。
さらに、肉の加工作業は機械ばかりに頼るのではなく、ほとんどの工程が手作業で行われています。
肉と脂がバランスよく味わえるように、余分な脂や筋を手作業で取り除き、同じ食感になるように、こちらも手作業で、ひと切れひと切れカットされています。
見え方にもこだわりを持って、大きさや重さを揃えてカットしており、これこそが職人技であり、叙々苑のブランド力のひとつであると言えますね。
気温はもちろんのこと、手の温度でも肉の脂が溶け出してしまうため、徹底した温度管理のもと、この作業が行われています。
このようにセントラルキッチンで一斉管理をしているため、北海道から沖縄までの全店舗にその時に一番よい肉が同じ状態で出荷されていきます。
叙々苑はなぜ高い?サービスの質に関係はあるの?
叙々苑が高い理由の中に、質の高い料理に加えて、質の高いサービスが提供されていることも周知のとおりです。
外食業界の中でも1店舗あたりの売上高はトップクラスで、焼肉店における食後のデザートやガムの提供、食事をする際のエプロンの提供、さらに焼肉会席料理なども叙々苑が先駆者となっています。
味はもちろんのこと、サービスにおいても店舗により差が出ないよう、「直営店のみの経営」にこだわり、店舗拡大を目指してきました。
叙々苑の創設者が目指した「高級であるより、一流でありたい」という思いが、今もなお受け継がれ、味、店の雰囲気、接客などすべてにおいて「一流」を追求し続けた結果こそが、叙々苑の持つブランド力を担っているのかもしれませんね。
接客に関しては、客が店内に入った瞬間から、叙々苑のおもてなしは始まっていると考えられています。
「お客様にもっと喜んでいただくためには何ができるだろうか」と社員がそれぞれ考えた「心からの最高のおもてなし」を常に大切にされているそうです。
例えば、常連客の名前と顔を覚えるのは当然のことですが、その先にあるいつもワインを注文される客にはワイングラスを用意しておく、左利きの客には箸の置く向きを左利き用にする、などサービスにもこだわりがあります。
このマニュアルにとらわれず、社員ひとりひとりが考えた「おもてなし」を大切にしているからこそ生まれる、叙々苑ならではの接客も値段が高い理由につながっているのかもしれませんね。
叙々苑はなぜ高い?【まとめ】
「叙々苑は高い」という漠然としたイメージを持っている人が多いかもしれませんが、「高い」ものには必ず「理由」があります。
その理由として質の高い「肉」「料理」と、質の高い「サービス」が挙げられます。
「肉」が「国産」だから高いと思われがちですが、叙々苑では産地にはこだわらず、その日その時に一番よい状態の肉を仕入れています。
そして熟練した肉の目利き職人が納得したものだけを仕入れ、セントラルキッチンで上質な肉の加工を職人が行っているからこそ、肉の本来の「旨さ」が引き出されているということですね。
叙々苑のこの「ブランド力」は、叙々苑が発信したものではありますが、それを作り上げたのはやはり消費者である私たちが受け入れた結果なのかもしれませんね。