鶏笑が閉店ラッシュの理由とは?唐揚げ専門店の現状を徹底解説!
2020年にブームを巻き起こした「からあげ専門店」ですが、今やその店舗数は4500店舗以上と言われています。
10年前に比べ、約10倍にも増えているというのは驚きです。
しかし、からあげ専門店ブームからわずか2年で、すでにからあげ専門店の閉店ラッシュが始まっています。
からあげ専門店に何が起きたのでしょうか。
そもそも2020年、からあげ専門店がなぜブームになったのでしょうか。
しかし、今、からあげ専門店のひとつである「鶏笑」が閉店ラッシュになっています。
そこで今回は、からあげ専門店がブームになった理由と、その閉店ラッシュの理由についてもみていきたいと思います。
からあげ専門店はなぜブームになったのか?
からあげ専門店は2020年に大きなブームを巻き起こしましたが、なぜからあげ専門店がこれほどまでに急成長したのでしょうか。
これには2つ理由があります。
ひとつ目は、からあげ専門店を開店するために、必要な設備として冷蔵庫と揚げ物をするフライヤーさえあれば可能なため、初期にかかる設備費用がとても安く済むということです。
また店舗に必要な敷地は持ち帰り専門店とすれば、調理場だけでよいので10坪程度あれば十分です。
よって通常の飲食店に比べてかなり安い初期費用と賃貸料金でからあげ専門店を始めることができるからです。
ふたつ目に、からあげだけを販売するのであれば、オペレーションはとても簡単です。
タレに漬け込んでおいたからあげをフライヤーで揚げて、弁当箱へ詰め込むだけです。
このようなシンプルなオペレーションであれば、オーナーがいなくてもアルバイトやパートのスタッフでも運営することが可能です。
さらに衛生面においても、生ものを扱うわけではないので、厳正な食品管理をしなくともリスクは低いといえます。
確かに、初期費用が安く、オペレーションがシンプルであれば、誰でも簡単にからあげ専門店を始められそうなので、とても魅力的ですね。
鶏笑閉店ラッシュの理由は?
急成長を見せたからあげ専門店の中で「鶏笑」もそのひとつです。
しかし、わずか2年で閉店ラッシュに陥りました。
それはなぜでしょうか。
ここでは「鶏笑」を含めたからあげ専門店の閉店ラッシュの理由についてみていきたいと思います。
まず2020年にブームを巻き起こしたからあげ専門店ですが、2022年以前に閉店した店舗と2022年以降に閉店した店舗では理由が大きく異なります。
2022年以前に閉店した大きな理由としては、そのからあげ専門店ブームにのり、急激に店舗数を増やし過ぎたことです。
からあげ専門店のチェーン店として、「から揚げの天才(ワタミ運営)」「からやま(かつや運営)」「から好し(ガスト運営)」などが同じ時期に店舗を増やしました。
そのため、消費者にとってチェーン店のからあげ専門店が、それぞれ他店と何が違うのか特別な差別化がわからず、売上も落ちていったということです。
一方、2022年以降に閉店した大きな理由としては、いまだ続くロシアとウクライナ戦争によるものです。
この戦争により、食材の価格や物流にかかる費用が高騰し、日本の物価高にも繋がっています。
食材価格の値上げの中でも、からあげ専門店では必要不可欠な食用油が大幅に値上がりをし、運営が厳しくなっていきました。
店舗数を急激に増やし過ぎた結果、売上が落ちている中、食材や光熱費の値上がりがかさみ、ますます運営が厳しくなっていったということです。
からあげ専門店の持ち帰りで、消費者にとって一番嬉しい「安くておいしい」部分が必要不可欠なので、簡単にからあげの価格を上げるわけにもいきません。
からあげ専門店「鶏笑」についても、同じ理由で閉店ラッシュに陥ったと言えます。
次の章では、2023年に閉店した「鶏笑」についてみていきたいと思います。
2023年に閉店した店舗一覧
【2023年1月】
鶏笑海老江店:大阪府
鶏笑大和南林間店:神奈川県
鶏笑可児店:岐阜県
鶏笑熊谷肥塚店:埼玉県
鶏笑伊丹荻野店:兵庫県
【2023年2月】
鶏笑酒々井店:千葉県
鶏笑一宮奥町店:愛知県
鶏笑大牟田店:福岡県
【2023年3月】
鶏笑南大分店:大分県
「鶏笑」だけでも2023年に入り、すでに上記9店舗が閉店しています。
他のからあげ専門店においても、閉店ラッシュの波はまだまだ続きそうですね。
鶏笑の閉店の理由【まとめ】
からあげ専門店は2020年に大きなブームを巻き起こしましたが、たった2年で閉店ラッシュを迎えています。
その大きな理由としては、店舗数の急激な拡大により、それぞれのからあげ専門店の差別化をはかることができなかったことと、今もなお続くロシアとウクライナ戦争による物価高の影響といえます。
からあげ専門店に限らず、飲食店業界では他店舗との差別化を図ることが重要であることは言うまでもありません。
先の見えない物価の高騰に歯止めがかかり、ロシアとウクライナの終戦を祈るばかりです。