国民年金基金の保証期間とは?保証期間なしとの違いって何?詳しく解説!

国民年金基金とは、自営業の方が、国民年金に上乗せする形で加入できる年金制度です。

掛金が全額所得控除の対象だったり、元本割れの恐れがなかったりと、多くのメリットがあります。

しかし、意外と制度が複雑で、分かりづらいと感じている方も多いのではないでしょうか。

特に複雑なのが給付タイプ。

国民年金基金には給付タイプが7パターンもあり、「保証期間ありタイプ」「保証期間なしタイプ」などに分かれています。

保証期間ってなに?保証期間があるのとないのではどう違うの?

この記事では、国民年金基金の保証期間について徹底解説!

ぜひ最後までご覧くださいね。

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国民年金基金には給付タイプが7パターンある!

国民年金基金は、加入時に必ず一口目を選択し、希望する方は自由に二口目以降も増口することができます。

どのように給付されるかは、大きく「終身年金」「確定年金」の2パターンに分けられます。

その中で、さらに「終身年金」は2パターン、「確定年金」は5パターンに分類されます。

【終身年金】

・65歳から一生涯受給「保証期間付き終身年金(A型)」
・65歳から一生涯受給「保証期間なし終身年金(B型)」 

【確定年金】

・65歳から80歳までの15年間受給「Ⅰ型」
・65歳から75歳までの10年間受給「Ⅱ型」
・60歳から75歳までの15年間受給「Ⅲ型」
・60歳から70歳までの10年間受給「Ⅳ型」
・60歳から65歳までの5年間受給「Ⅴ型」

※確定年金は、どの受給タイプを選択しても保証期間が付いています。

終身年金は、65歳から加入者が亡くなるまでの一生涯支給されます。

確定年金は、何歳から何歳まで年金が支給されるか、といった期間があらかじめ確定しています。期間は受給タイプによって異なります。

さらに、「保証期間付き」と「保証期間なし」という違いもあります。

終身年金は保証期間が有り無しを選べますが、確定年金には全て保証期間が付いています。

保証期間とはいったいなんでしょうか。

国民年金基金の保証期間って何?

国民年金基金の「保証期間」とは、加入者が保証期間内に亡くなった際、遺族に遺族一時金が支払われる制度のことです。

ここで、国民年金基金における遺族一時金について詳しく説明します。

国民年金基金は、加入者が【年金を受給開始する前】に死亡した場合、必ず遺族に遺族一時金が支給されます。

遺族一時金の金額は、加入者が国民年金基金に加入した際の年齢や、死亡するまでに納付した掛金額に応じて計算されます。

ただし、加入者が「保証期間なし」の給付タイプのみに加入していた場合には、遺族一時金は一律10,000円のみの給付です。

また、加入者が【年金受給開始以降】に死亡した場合は、その死亡が保証期間内であった場合に限り、遺族一時金が支給されます。

遺族一時金の金額は、保証期間内の残りの期間に応じて計算されます。

保証期間を過ぎてから死亡した場合は、遺族一時金は支払われません。

また、加入者が「保証期間なし」の給付タイプにのみ加入していた場合には、遺族一時金は支払われません。

保証期間は、「終身年金」の場合は受給開始年齢である65歳から80歳までの15年間です。

「確定年金」の場合は、年金が支給される間は全て保証期間内です。

「保証期間あり」と「保証期間なし」はどっちがお得?

国民年金は確定給付年金なので、将来の年金受給額が加入時に確定します。

そのため、基本的には元本割れがなく、必ず老後資金を増やすことができます。

しかし、それは加入者が存命の場合に限ります。

万が一加入者が死亡した場合は、保証期間のありなしによって、上記のように遺族一時金の取り扱いに大きな違いがあります。

何十年も国民年金に加入して掛金を納付してきたのに、万が一年金を受給する前に死亡してしまった場合、遺族一時金が10,000円しか貰えないのは残念ですよね。

また、受給開始後に亡くなってしまった場合も、一時金が一切貰えないのは遺族からすると残念かもしれません。

そのため、遺族のためにもせっかく納付した掛金の元は取りたいと考える方にとっては、保証期間ありのほうがお得と言えます。

一方で、保証期間なしの給付タイプは、保証期間ありの給付タイプに比べて掛金が安いという特徴があります。

下記のモデルケースをご覧ください。

【モデル①】20歳の男性が60歳まで40年間一口目のみ加入(増口なし)

◯「保証期間付き終身年金(A型)」の場合
毎月の掛金:7,350円
60歳までの掛金の総額:3.528.000円

◯「保証期間なし終身年金(B型)」の場合
毎月の掛金:6,590円
60歳までの掛金の総額:3.163.200円

保証期間なしのほうが364.800円安い。

【モデル①】40歳の男性が60歳まで20年間一口目のみ加入(増口なし)

◯「保証期間付き終身年金(A型)」の場合
毎月の掛金:13,335円
60歳までの掛金の総額:3.200.400円

◯「保証期間なし終身年金(B型)」の場合
毎月の掛金:12,045円
60歳までの掛金の総額:2.890.800円

保証期間なしの方が309.600円安い。

このように、保証期間なしのほうが、掛金を安く抑える事ができます。

保証期間のメリットが活かされるのは加入者が死亡した場合のみです。

加入者が保証期間を超えて長生きをした場合は、保証期間なしの給付タイプのみに加入していた方がお得と言えます。

また、掛金をできるだけ抑えて加入したいと考えている方にとっても、保証期間なしの給付タイプの方がお得と言えるでしょう。

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国民年金基金の保証期間とは?【まとめ】

国民年金基金の「保証期間」とは、万が一加入者が保証期間内に死亡した場合に、遺族に遺族一時金が支払われる制度のことです。

保証期間付きの給付タイプでは、加入者が年金受給開始前に死亡した場合、加入時の年齢や死亡時までに納付した掛金の額によって遺族一時金の金額が計算されます。

加入者が年金受給開始後に死亡した場合は、その死亡が保証期間内の場合に限り、保証期間の残年数を元に遺族一時金が計算され、支給されます。

保証期間なしの給付タイプでは、加入者が年金受給開始前に死亡した場合、一律10,000円のみが遺族一時金として支払われます。
加入者が年金受給開始後に死亡した場合は、遺族一時金は支払われません。

また、保証期間なしの給付タイプは、保証期間付きの給付タイプよりも掛金を安く抑えることができます。

万が一に備えたい方は保証期間付きの給付タイプを、掛金を安く抑えたい方は保証期間なしの給付タイプを選択するといいでしょう。