国民年金基金と付加年金はどっちが得?違いを徹底比較!両方併用はできる?

みなさんは、将来自分がどれくらい公的年金を受け取れるかご存知ですか?

「公的年金だけでは老後が不安」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

特に、個人事業主等の第1号被保険者の方は、支給されるのは基礎年金のみ。老後資金をどのように準備しようか悩んでしまいますよね。

第1号被保険者の方が公的年金の受取額を増やす手段としては、国民年金基金や付加年金が知られています。

しかし、実際どのような制度なのか、どっちが得なのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、国民年金基金と付加年金を詳しく比較紹介します!

どっちの方が得なのか、併用はできるのか?さまざまな視点から解説します。

ぜひ最後までご覧ください!

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国民年金基金とは?

国民年金基金とは、第1号被保険者の方が国民年金に上乗せする形で加入できる年金制度です。

「確定給付年金」なので、加入時に将来受け取れる金額が確定します。

一方掛金は、加入時の年齢や加入プラン等によって変動します。

加入時には必ず「終身年金」から一口選択するため、基本的に一生涯受け取ることができます。

また、二口目以降は「終身年金」「確定年金」の中から自由に選んで増口ができます。

ただし、掛金の上限は、別制度であるiDeCoの掛金と合算して、月額6.8万円までと定められている点に注意しましょう。
掛金は全額所得控除の対象です。

付加年金とは?

付加年金とは、第1号被保険者の方が将来の基礎年金の受給額を増やすための制度です。

毎月の国民年金保険料に「付加保険料」を上乗せすることで、基礎年金の受給額に付加年金が上乗せされます。

付加保険料は一律月額400円です。

掛金は全額所得控除の対象です。

国民年金基金と付加年金はどっちが得?

国民年金基金と付加年金の違いは分かったけれど、結局どっちが得なの?と気になりますよね。

そこで、国民年金基金と付加年金を比較してみました!

今回は、20歳男性が60歳まで40年間加入したと仮定してシミュレーションしました。

【モデル①】国民年金基金に加入。一口目に終身年金A型を選択。増口は無し。

掛金は月額7,350円です。40年間で3,528,000円の拠出です。

この拠出金額は全額所得控除の対象です。

将来の年金受給額は、年間243.380円です。

年金の受給は一生涯です。

受給開始年齢の65歳から80歳までの15年間受給すると、総額3,650,700円となり、掛金を上回ります。

【モデル②】国民年金基金に加入。一口目に終身年金A型を選択。二口目に確定年金Ⅰ型(65歳〜80歳まで受給)を選択。

掛金は月額9,950円です。40年間で4.776.000円の拠出です。

この拠出金額は全額所得控除の対象です。

将来の年金受給額は、一口目が年間243,380円で、二口目が121,690円のため、合計で年間

365,100円です。

年金の受給は一生涯です。

受給開始年齢の65歳から79歳までの14年間受給すると、総額5.111.400円となり、掛金を上回ります。

【モデル③】付加年金に加入。

付加年金の掛金は一律月額400円です。40年間で192.000円の拠出です。

この拠出金は全額所得控除の対象です。

付加年金の年金額は200円×納付月数です。

そのため、将来の年金受給額は、年間96.000円です。

年金の受給は一生涯です。

受給開始年齢の65歳から67歳までの2年間受給すると、総額192.000円となり、掛金を上回ります。

また、65歳から80歳までの15年間受給した場合、総額1.440.000円となり、掛金額よりも1.344.000円多く受給できることになります。

いかがでしょうか。

国民年金基金は、付加年金と比べて掛金が高いですが、その分将来の受給額も大きくなります。
ただし、国民年金基金の拠出金額は年齢によって変動します。例えば40歳男性の場合、掛金は13,335円です。

若いうちに加入した方が掛金を安く抑えて、受給額も大きく増やすことができます。

付加年金は掛金が一律月額400円です。加入者の条件に関わらず、2年間受給すれば必ず元が取れるようになっています。

そのため、3年目以降は長生きすればするほどお得に年金を受給することができます。

また、掛金が全額所得控除の対象になる点も重要です。

国民年金基金は掛金が高い分、控除額も大きくなります。

加入者の考え方によって、どっちが得かは変わってきます。

将来の老後資金をしっかり準備したいと考えている方や、節税効果を重視する方には、国民年金基金がおすすめです。

一方、より早く掛金の元を取りたいと考えている方や、長生きして掛金よりも多く受給することで得をしたいと考えている方には、付加年金がおすすめです。

国民年金基金と付加年金は併用できる?

実は、国民年金基金と付加年金は併用できません!

なぜなら国民年金基金で選択する一口目には、付加年金も含まれています。

そのため、国民年金基金と付加年金を別で加入すると、付加年金が二重加入になってしまうので、併用ができないのです。

どうしても両方に加入したいという場合には、国民年金基金に加入すると、実質付加年金にも加入したことになるでしょう。

すでに付加年金に加入している場合、残念ながら国民年金基金に新たに加入することはできません。

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国民年金基金と付加年金はどっちが得?【まとめ】

国民年金基金と付加年金は、どちらも第1号被保険者の方が将来の年金額を上乗せするための制度です。掛金が全額所得控除の対象になる点等、似ているところもあります。

しかし、それぞれ違いもあります。

国民年金基金は確定給付年金であり、掛金は加入時の年齢や加入プランによって変動します。

若いうちに加入すれば掛金を抑えて受給額も大きく増やすことができますが、高齢になってから加入するとその分掛金が高くなってしまいます。

一方、付加年金の掛金は一律月額400円です。加入者の条件に関わらず、受給開始から2年経てば必ず掛金の元を取ることができます。

どっちが得かは加入者の考え方によって変わります。

将来の老後資金をしっかり準備したいと考えている方や、節税効果を重視する方には、国民年金基金がおすすめです。

一方、より早く掛金の元を取りたいと考えている方や、長生きして掛金よりも多く受給することで得をしたいと考えている方には、付加年金がおすすめです。

また、国民年金基金と付加年金は併用することができません。

ご自身の考え方に合わせて、適切な制度を選択することが大切です。