国民年金基金はやめたほうがいい?デメリットやリスクを徹底解説!
自営業の方など、国民年金の第1号被保険者が国民年金に上乗せする形で加入できる国民年金基金。
節税しながら老後資金の準備ができることから、加入を検討している方も多いことでしょう。
しかし、インターネットで国民年金基金について調べると、「やめたほうがいい」という情報が出てくることもありますよね。
なぜ国民年金基金はやめたほうがいいと言われるのでしょうか?
この記事では、国民年金基金は本当にやめた方がいいのか?なぜやめたほうがいいと言われるのか?
その理由や、デメリット・リスクについて詳しく解説します!
Contents
国民年金基金はやめたほうがいい?根拠となるデメリット
デメリット①国民年金基金は途中解約ができない!
国民年金基金のデメリットの一つが、一度加入すると自分の意思で途中解約ができないという点です。
加入した後に掛金が負担になったからやめたいという場合や、急にお金が必要になったから解約したいという場合でも、解約することはできません。
国民年金基金をやめられるのは、国民年金基金の資格を喪失した場合に限ります。
資格の喪失理由としては、会社員になる(第2号被保険者になる)、専業主婦になる(第3号被保険者になる)、国民年金の保険料を免除された時等です。
また、資格を喪失したことにより国民年金基金を脱退した場合でも、それまで積み立ててきた資金を一時金として受け取ることはできません。
積立金は将来の受給年齢に達した際に、年金として受給することになります。
ただし、経済状況が変わったことでこれまで通りの積み立てが難しくなった場合には、掛金を減口したり、休止したりすることが可能です。
なお、掛金の一口目については無くしたり変更したりすることができません。
また、掛金を減口したり休止したりした場合、将来の年金の受給額が減ることになりますので、注意が必要です。
デメリット②国民年金基金は運用利率が低い!
国民年金基金は運用利率が低いという点もデメリットの一つです。
国民年金基金は、確定給付年金です。
将来受給できる年金額は、加入時に確定しますが、その分運用方法は自分で決めることができません。
予定利率は1.5%程度と低めです。
老後資金を準備するための制度としては、他にiDeCoがあり、こちらは自分自身で運用方法を決めることができます。
運用次第では5%以上の利回りが期待できる商品も選択できるため、iDeCoに比べると国民年金基金の運用利率は低いと言わざるを得ないでしょう。
デメリット③国民年金基金はインフレに弱い
国民年金基金は確定給付年金です。
将来受け取れる年金額が、加入時点で確定します。
そのため、将来インフレが起きて、物価が大きく上昇したとしても、加入時に確定している金額以上の年金は受け取ることができません。
つまり、せっかく加入していた国民年金基金の価値が、相対的に下がってしまうことになります。
インフレに弱いという点は国民年金基金のデメリットと言えるでしょう。
デメリット④国民年金基金は解散するリスクがある?
国民年金基金は解散リスクがあると言われています。
これは、国民年金基金の運営状態に起因します。
現在、国民年金基金は責任準備金に対する積立金残高が不足しており、乖離が発生しています。
今後、乖離があまりにも大きくなり、長年続くようであれば、制度が破綻して解散してしまう可能性もあります。
ただし、実際には基金がすぐに解散してしまう可能性は非常に低いです。
国民年金基金の積立金不足は徐々に改善しています。
また、運営状態が極端に悪化した場合でも、基金を解散するよりも先に、受給開始年齢の引き上げや、支給金額の引き下げ、または掛金の増額が行われると予想されます。
なにより、国民年金基金を管理しているのは国なので、一般の保険会社や銀行が破綻する可能性に比べると、国民年金基金が解散するリスクは非常に低いと言えるでしょう。
国民年金基金にはメリットもたくさんある!
一方で、国民年金基金にはメリットもたくさんあります。
国民年金基金は確定給付年金!運用の手間がかからず、確実に老後資金を増やせる
国民年金基金は確定給付年金ですので、将来の受給額が加入時に確定します。
そのため、老後資金がどのくらい増えるのかをあらかじめ把握することができます。
また、運用は基金が行ってくれるため、自分で運用方法を考えたり、定期的にポートフォリオをチェックしたりする手間がかかりません。
iDeCoの場合は、自分自身で運用しなければならないため、手間がかかる上に運用実績によっては元本割れをしてしまう可能性もあります。
掛金を払うだけで確実に老後資金を増やすことができる点は、大きなメリットと言えます。
国民年金基金は終身年金!長生きするほどお得!
国民年金基金は一口目は必ず終身年金を選択します。
そのため、基本的に一生涯年金を受け取ることができます。
例えば現在20歳の男性が、一口目にA型を選択して加入した場合でシミュレーションしてみましょう。
掛金の月額:7,350円
60歳までの掛金の総額:3,469,200円
60歳から受け取る年金額:242,700円(年間)
この場合、65歳から80歳までの15年間受給した段階で年金受給額総額は3.640.500となり、元を取ることができます。
受給は一生涯ですので、長生きをすればするほど得になります。
国民年金基金は掛金が全額所得控除の対象!節税しながら積み立てができる!
国民年金基金は掛金が全額所得控除の対象です。
掛けた分が全て課税所得から差し引かれ、当年分の所得税と翌年分の住民税の負担が軽減されます。
例えば毎月30,000円を20年掛けた場合、720万円が所得控除の対象になりますので、節税効果はかなり高いと言えます。
また、将来の年金を受け取る際にも税制優遇を受けることができます。
節税をしながら老後資金を準備できるという点は、大きなメリットです。
国民年金基金はやめたほうがいい?【まとめ】
いかがでしょうか。
国民年金基金はやめたほうがいいと言われる理由には、国民年金基金は途中解約ができない点や、運用利率が低めであるという点があげられます。
また、国民年金基金には解散リスクもあると言われています。
しかし、実際には国民年金基金が解散するリスクは非常に低いといえます。
また、国民年金基金にはメリットもたくさんあります。
例えば国民年金基金は確定給付年金ですので、自分自身で運用する手間をかけずに確実に老後資金を増やすことができます。
また、国民年金基金は終身年金なので、一生涯年金を受給でき、長生きをするほどお得になります。
さらに掛金が全額所得控除の対象です。節税をしながら老後資金を準備することができます。
このように、国民年金基金にはデメリットやリスクもありますが、それを上回るメリットもあります。
国民年金基金はやめたほうがいいかどうかは、一律に判断することはできません。
制度の内容をよく確認し、一人一人のライフプランや価値観に合わせて検討することが大切です。