iDeCoは複数口座をもてる?金融機関の変更方法は?

自分自身で老後資産を運用することができるiDeCo。

実は金融機関によって、取り扱っている運用商品や手数料が異なります。

すでにiDeCoを始めているけれど、後からより自分に合った金融機関を見つけたということもあるでしょう。

「新しい金融機関で2つ目のiDeCoを始めたい」または「iDeCoの金融機関を変更したい」と考えている方もいるかもしれません。

iDeCoは複数口座をもてるのでしょうか。また、金融機関を変更することはできるのでしょうか?

残念ながら、iDeCoは複数口座をもつことはできません。しかし、金融機関を変更することはできます!

この記事では、なぜiDeCoは複数口座をもてないのかといった理由や、金融機関の変更手続き、変更する際の注意点を詳しく解説します。

ぜひ最後までご覧ください!

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iDeCoは1人につき1口座のみ

iDeCoは1人につき1口座しか開設できません。また、指定できる金融機関も1つのみです。
そのため、1人でiDeCoの複数口座をもつことはできません

既にiDeCoを始めている方が別の金融機関でiDeCoを始めたい場合、既存のiDeCoを解約して、新しい金融機関へ資産を移換する必要があります。

ただし金融機関によっては、拠出金の引き落とし口座であれば他の金融機関の口座を設定することが可能です。

これまではiDeCo口座・引き落とし口座共にA金融機関を指定していたが、引き落とし口座のみB金融機関に変更するといったことができます。

詳細は金融機関によって異なりますので、規定をよく確認しましょう。

iDeCoを運用する金融機関の変更方法

iDeCoを運用する金融機関の変更方法は、基本的に下記の通りです。

①新しくiDeCoを始めたい金融機関へ連絡して、金融機関の変更書類を取り寄せる
②書類に記入し、返送する
③国民年金基金連合会で審査が行われる(通常1〜2ヶ月程度)
④変更完了

iDeCoは金融機関を変更する際に、既存のiDeCoで運用していた商品を全て売却・解約しなければなりません。

一旦全て現金化した上で、新しい金融機関で運用商品を購入しなおします。

iDeCoは金融機関によって取扱商品が異なるため、新たな拠出金をどの商品に配分するかや、今まで積み立てた資産をどの商品で運用するかを改めて選択する必要があります。

これらは上記の変更書類で指定することができます。

金融機関を変更するメリット

iDeCoの金融機関を変更すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
実は、金融機関を変更しても、必ずしもメリットがあるとは限りません。
メリットが発生する可能性があるのは、下記のケースです。

①運用管理費が安くなるケース
②運用商品の取扱が増えるケース

運用管理費が安くなるケース

iDeCoにかかる運用管理費は、金融機関によって異なります。

月々の運用管理費が無料の金融機関もあれば、毎月数百円支払わなければならない金融機関もあります。

仮に月330円の運用管理費が発生する金融機関でiDeCoを始めた場合、20年で約80,000円も手数料を引かれることになります。
運用実績によっては手数料の方が多くかかる「手数料負け」の状態になってしまう可能性があります。

もし、既にiDeCoを開始している金融機関の手数料が高い場合には、手数料が低い金融機関に変更することで得をする可能性があります。

運用商品の取扱が増えるケース

iDeCoは金融機関によって運営商品の取扱が異なります。

10種類程度しか取扱が無い金融機関もあれば、40種類以上の商品が選べる金融機関もあります。

取扱商品の少ない金融機関を利用していると、将来ポートフォリオを変更したいと考えた時に、自分が運用したい商品が無いという場合もあります。

また、金融機関によっては信託報酬が高い商品ばかり取扱っている等、既存の金融機関の商品に魅力が感じられなくなることもあるでしょう。

そういった場合、より自分に合った商品を取り揃えている金融機関に変更することで、メリットを得られる可能性があります。

金融機関を変更するデメリット

一方で、金融機関を変更する際には注意も必要です。
iDeCoの金融機関を変更することで発生するデメリットは下記の通りです。

①移換時に手数料がかかる
②運用資産を一度現金化するため、運用実績によっては損をする可能性がある
③新たな金融機関で改めて運用商品を購入するため、市場状況によっては損をする可能性がある
④国民年金基金連合会での審査に1〜2ヶ月かかる

移換時に手数料がかかる

iDeCoの金融機関を変更する際には、既存の金融機関と新しい金融機関のそれぞれに移換手数料を支払わなくてはなりません。
金額は金融機関によって異なりますが、それぞれ4,000円程度、合わせて8,000円以上かかる場合もあります。

運用資産を一度現金化するため、運用実績によっては損をする可能性がある

iDeCoの金融機関を変更する際には、既存の金融機関で運用していた商品を全て売却・解約して、現金化する必要があります。

投資信託商品等は売却時点の価額で運用益が確定します。

そのため、運用実績によっては元本割れをしてしまう可能性があります。

また、売却時に手数料がかかる商品もあるので、その分資産が目減りする点も注意しましょう。

新たな金融機関で改めて運用商品を購入するため、市場状況によっては損をする可能性がある

iDeCoの金融機関を変更する際は、新たな金融機関で運用商品を選び直し、改めて購入する必要があります。

そのため、購入時の市場状況によっては価額が値上がりしており、将来の運用に影響が出る可能性があります。

国民年金基金連合会での審査に1〜2ヶ月かかる

金融機関変更の手続きを行ってから審査が完了するまで、通常1〜2ヶ月程度かかります。
その間は資産運用ができません。

また、審査期間中に市場状況が変動した場合、対応することができません。

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iDeCoは複数口座をもてる?【まとめ】

iDeCoは1人につき、1金融機関で1口座しか開設することができません。
そのため、複数口座をもつことはできません。

しかし、iDeCoの金融機関を変更することはできます。

金融機関を変更する際は、新たに利用したい金融機関を通して変更手続きを行います。

金融機関を変更することのメリットとして、運用管理費用が安くなったり、取扱商品が増える等が考えられます。
一方で、移換時に手数料が発生したり、既存の資産を現金化し、新たな金融機関で運用商品を買い直す際に、損が発生する可能性がある等、デメリットにも注意が必要です。

iDeCoの金融機関を変更したいと思った時には、メリットとデメリットをよく比較した上で変更手続きを行いましょう。