iDeCoが改正するって知ってる?上限見直しになるとどうなるか解説!

自分自身で老後資産を運用することができるiDeCo。

実は、職業等によって毎月の拠出額の上限が異なります。

特に会社員の方は、勤務先の年金制度によって細かく区分が分かれています。

現行の制度では、企業型確定拠出年金に加入している場合のiDeCoの上限は月2.0万円。一方、確定給付企業年金に加入している場合、iDeCoの上限は月1.2万円と大きな格差がありました。

この格差を無くすため、iDeCoは上限見直しを行うことに。その結果、会社員は企業の年金制度の内容にかかわらず、上限が一律2万円に統一されることが決定しました!

この改正で、具体的にどんなメリットが生まれるのでしょうか。また、改正はいつから始まるのでしょう?

この記事で詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

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会社員の上限見直し!一律2万円に

iDeCoは自分自身で毎月の拠出額を決めて、自分で運用することができます。

しかし、その拠出額の上限は、職業等によって異なります

特に第2号被保険者(会社員、公務員)の方は、勤務先の年金制度によって区分が細かく分かれています。

現行の第2号被保険者の上限

・企業での年金制度なし……月額2.3万円
・企業型確定拠出年金あり……月額2.0万円
・確定給付企業年金あり・公務員……月額1.2万円

このように、加入している年金制度によっては、最大で1万円もの格差がありました。
この格差を無くすために、iDeCoは上限見直しを行うことになりました。

具体的には、企業で年金制度に加入している場合、年金制度の内容に関わらず、iDeCoの拠出額上限を月2万円に統一することが決定したのです。

改正後の第2号被保険者の上限

・企業での年金制度なし……月額2.3万円
・企業での年金制度あり……月額2.0万円

上限見直しでどんなメリットが生まれるの?

今回の上限見直しの結果、具体的にどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

ポイントは、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象になる点です。

iDeCoは拠出額が全額課税所得から差し引かれるため、当年分の所得税と、翌年分の住民税が軽減されます。

限度額が一律2万円に改正されたことで、確定給付企業年金に加入している方が、所得控除のメリットを今までよりも大きく受けることができるようになります

実際に節税効果を計算してみましょう。

モデル

・年収500万円の会社員
・勤務先で確定給付企業年金に加入している

現行の制度

・iDeCoの拠出金限度額は月1.2万円
・1年間の節税額は約2.9万円
・20年間iDeCoに加入した場合の節税額は約58万円

改正後の制度

・iDeCoの拠出金限度額は月2万円
・1年間の節税額は約4.8万円
・20年間iDeCoに加入した場合の節税額は約96万円

いかがでしょうか。掛金の所得控除という点だけでも、これだけ大きなメリットが発生します。

また、単純にiDeCoで運用できる金額が多くなることもメリットです。
実際に、運用益をシミュレーションしてみましょう。

現行の制度

・月1.2万円を20年間、5%の運用利率で運用した場合
・積立元金は2,880,000円
・運用益は2,052,404円
・積立合計は4,932,404円

改正後の制度

・月2.0万円を20年間、5%の運用利率で運用した場合
・積立元金は4,800,000円
・運用益は3,420,673円
・積立合計は8,220,673円

いかがでしょうか。
上限見直し後は確定給付企業年金に加入されている方でもこれだけの運用が期待できますので、大きなメリットと言えるでしょう。

改正はいつから適用されるの?

では、この法改正はいつから適用されるのでしょうか。

現時点では、施行期日は2024年12月1日と予定されています。

iDeCoは2022年10月にも別の法改正が行われることになっており、上限見直しも同時に施行されると考えられていましたが、延期されることになりました。

上限が引き上げになるのはまだ先ですが、今後は確定給付企業年金の加入者も拠出金を多く掛けられるようになるのは大きな魅力です。

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iDeCoが改正するって知ってる?【まとめ】

iDeCoの現行の制度では、第2号被保険者(会社員等)の方は勤務先の年金制度によって細かく区分が分かれ、拠出金の限度額に格差がありました。

この格差を無くすために上限見直しが行われ、今まで月1.2万円しか拠出できなかった確定給付企業年金の加入者も、上限2万円へ引き上げられることになりました。

その結果、確定給付企業年金の加入者も、掛金所得控除のメリットを同じように受けられるようなります。また、iDeCoで運用できる資産も大幅にアップします。

法改正は2024年12月1日からの施行予定です。

まだ少し先ですが、iDeCoは今後より活用しやすくなります。ポイントを抑えて、上手に運用していきましょう!